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新しい住まいでの安全な生活を保証するためには、保険に入っておく必要があります。では、注文住宅を建てるうえでどのような保険に入っておけばいいのでしょうか。ここでは、火災保険と地震保険を取り上げて、その特徴を見ていきましょう。
火災保険は、名前に「火災」とあるものの、補償の対象となっているのは火災のみではありません。火災保険の補償範囲は、火災のほか火災を伴うことの多い落雷・破裂・爆発、台風や大雪などによる風災・雹災・雪災、津波などによる水災、その他盗難・破損・水漏れとなっています。なお、火災保険の補償範囲にない生活用品などは、家財保険によって補償されます。
火災・落雷・破裂・爆発については、火災保険の基本契約となっているので、どの保険にも含まれており、内容もほぼ変わりません。それ以外の保証内容に関しては、自宅の立地条件、構造、土地の気候などを考慮して適宜追加しましょう。
このように、火災保険の内容は広範囲に及びます。しかし、火災保険のみに加入する状況はほぼないと考えていいでしょう。なぜなら、地震保険に加入するためには火災保険への加入が求められるからです。
火災保険はさまざまな災害を補償するためのものなので、その保険料は対象となる建物の構造や強度によって異なってきます。そのため、一戸建てよりは頑丈な造りのマンションなどのほうが保険料は安くなるのです。
上記の理由から、火災保険料は一概にどのくらいとは言いにくいですが、一戸建てだと耐火構造ありなら年間約30,000~40,000円、耐火構造なしなら年間約50,000~80,000円くらいが目安です。
地震保険は、名前のとおり地震による建物の倒壊や家財道具の破損を補償の対象とします。火災保険や家財保険とは別途契約が必要なので注意しましょう。
地震保険で補償されるのは、地震だけではありません。地震によって起きた津波による水害や住宅からの家財の流出も対象となります。また、地震が原因で起きた火災については、火災保険ではなく地震保険が適用されることは覚えておきましょう。
地震保険料も、火災保険と同じく建物の耐震性能や構造によって保険料率が異なります。また、地震による建物の損壊度合いを4段階に分けており、それによって支払われる保険金が異なります。損壊度合いと保険料については以下のとおりです。
家財保険は、火災保険では補償されない家財に関する保証が行われる保険です。火災保険が土台となっており、火災保険に入らないと加入できない場合が多いです。火災保険の付帯契約をしたり別途契約したりして加入することができます。賃貸住宅の場合は火災保険には大家さんが加入しているため、家財保険のみ加入となります。
家財保険は、家財に関する保険となっており、日常生活で使う家電・家具を保証します。火災保険で対象範囲外となっている盗難や水漏れ・偶然家財を壊してしまった時の補償もすることができます。火災保険によっては総合的な補償をしている保険として家財保険の範囲も保証するものや自分で家財保険の補償範囲を選べることもあります。
瑕疵とは、契約に沿って住宅の引き渡しや工事が完了したけれど、契約した際に決めた住宅の性能や品質になっていないことをいいます。この瑕疵が発覚した場合に、事故として補修費用を補償する保険です。
瑕疵担保責任がある施工会社が申し込みをして保険法人と契約をするタイプの保険となっており、保険期間内であれば保険対象となる事故が起きた時に施工会社が倒産や廃業をしていても購入者が直接保険法人に保険金を請求することが可能となります。
瑕疵保険に施工会社が申し込みをすると建築士の検査員が保険対象部分に瑕疵がないかを検査するので、瑕疵の予防や住宅の品質も一定の水準を確保できます。
瑕疵保険の補償範囲は「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」の第5条第1項・第2項に定められている「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」となっています。具体的には一戸建ての場合に対象となるのは、屋根板や壁・柱といった部分の構造耐力性能や屋根・外壁・開口部といった防水性能に関する瑕疵です。
瑕疵保険の加入時の費用としては、検査料を含めて7~15万円が相場となっています。加入する保険や住宅の広さ・保険期間によって検査料や保険料が多少異なります。
瑕疵保証は基本的にサービスとなっているので費用が掛からないことが多いです。
保険の金額や補償範囲は、住宅の構造上の瑕疵のある部分・事故の発生した部分がどこなのかで異なります。
保険期間は5年間または2年間となっており、保証される個所は「構造耐力上主要な部分」「雨水の浸水を防止する部分」「給排水管路(対象外とする保険法人も有り)」「給排水設備・電気設備(対象外とする保険法人も有り)」とされています。対象となる箇所によって「構造耐力上主要な部分」であれば基本耐力性能に満たないのが支払い基準で、「雨水の浸水を防止する部分」は防水性能に満たず雨漏りが発生した場合が支払い基準となります。
補償金額は修理費用だけでなく、調査や転居・仮の住まいでかかった費用も対象となります。
瑕疵保険は持ち家であっても賃貸であっても補償を受けることができます。持ち家と賃貸で違うのか気になるところですが補償範囲も同じとなっています。持ち家か賃貸かによって補償範囲が異なるというよりも事故の起きた構造上の部分が重要なようです。
保険加入のタイミングは、なるべく早い時期がいいでしょう。保証内容と適切な保険料を算出するのには時間がかかるので、忙しくなってくると保険への加入も億劫になってしまうこともあります。そのため、注文住宅を建てようと思ったら家のことだけでなく保険のことも少しずつ調べておくのがいいでしょう。
家を建てるとなると家のことばかり考えそうになりますが、その家で長く暮らすためには、保険のことも考えておかなくてはいけません。保険選びは今後の生活にも大きな影響を与えることなので、注文住宅を建てる際の保険選びは非常に大切なポイントといえるでしょう。
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